HOKUSAI [映画]
浮世絵師・葛飾北斎の生涯を描いた映画。
自分のスタイルを確立するまでを柳楽優弥、晩年を田中泯が演じ分けており、入れ替わるタイミングで一気に年代が跳ぶので、一人の人間、一つの作品のような気がしなかった。
大変長寿(90歳)だったため、一人の俳優さんで生涯を描くことが難しかったんだろうな。
年代が違うので、当然登場人物も前半と後半で変わり、分かりにくかった。
このため、せっかくいい題材なのに映画全体としては残念だった。
ただ、絵に対する向き合い方は興味深かった。
死役所 [ドラマ]
死役所とは、自殺、他殺、病死、事故死、寿命など様々な理由で亡くなった人たちが最初に訪れ、その後の行き先(天国か地獄)を決める手続きをする場所のこと。
ここに到着した人がどのようにして亡くなったのかがほぼ1話完結で描かれていく。
主演は松岡昌宏で死役所の総合案内係、他の職員をでんでん、松本まりか、清原翔などが演じている。
死役所の職員も訳ありで、それもおいおい明らかにされていくが、主要職員の中で最後まで明らかにならない人もいるので、もやもやが残った。
原作のコミックを読めばわかるのかもしれないが、映画だけではわからなかったので、スッキリしない。
それ以外にも、当然明らかにされるべき事が不明なまま終わったので、続編があるのかなと思ったが、いまのところ、その話はなさそう。
人の死には様々な背景があるなと思わせてくれたドラマでした。
ノッティングヒルの恋人 [映画]
遊星からの物体X [映画]
南極を舞台に、10万年前に地球に飛来した宇宙生物(=物体)と米国南極観測隊との闘いを描いたSFサスペンスホラーで、1951年の映画『遊星よりの物体X』のリメイク作品。
1982年製作なので、CGではなく特撮だがなかなかの出来栄え。
宇宙生物は接触した他の生物に擬態できることが次第にわかり、観測隊員は自分たちの中にすでに潜んでいるかもしれないと、お互い疑心暗鬼になる。
隊員が次々と殺されていく中、隊員たちの反撃が始まる。
最後まで分からなかったのは、宇宙生物に知性があったのかどうかということ。
映画を観る限り、生存本能に支配されているようにしかみえない。
地球まで宇宙船を操ってきた高度な文明を持った生物はとっくに滅んでいて、寄生していた生物が生き残っていたと解釈しました。
とにかくグロいので、気の弱い人にはお勧めしません。
地球の静止する日 [映画]
地球に、あるメッセージを届けにやってきた宇宙人を描いた1951年の米国SF映画。
ただ、宇宙戦争的な要素は全くない。
宇宙人の外見は地球人と相違なく、市井に紛れ込んで地球人を理解しようと行動するので、SFというよりは人間ドラマの趣が強い。
なにしろ70年も前の映画なので、出てくる宇宙船や宇宙人と一緒に来たロボットなど、チープではあるが、その時代の米国の世相が垣間見れて面白い。
また、冷戦時代に製作された映画なので、その時代を意識したメッセージ性が込められているが、昨今の情勢にも十分通ずる内容だと思う。
なお、2008年、キアヌ・リーブス主演で「地球が静止する日」のタイトルでリメイクされているので、いつか観比べてみたい。
ミッドウェイ(2019年版) [映画]
真珠湾攻撃から1年、ミッドウェイ海戦を日米の軍人たちを通して描いている。
海戦シーンは迫力があって、一見の価値がある。
この手の映画では、陳腐な日本人や日本の風景が登場することがよくあるが、本作では豊川悦司、浅野忠信、國村隼といったちゃんとした俳優がキャスティングされているので違和感はない。
ただ、この3人以外の日本人は棒読みだったかな。
また、アメリカ=善、アメリカ以外=悪、みたいな構図で描かれる作品が多い中、わりと客観的に描かれている点は好印象。
しかも、単なる戦闘ではなく、情報戦が根底にあるので興味深かった。
日米の闘いの話なのに中国でのシーンが途中あるが、内容的にもあまり重要な感じではなく、援護のつながりも薄かったので必要だったかな。
まあ、中国資本の映画なので忖度したのかも。