アイアンマン2 [映画]
前作が割とシンプルな作りだったが、本作は少々複雑。
トニーの苦悩、軍との攻防、ライバル会社の陰謀、親の代の復讐劇、アベンジャーズへの序章、と盛沢山すぎて収拾がつかなくなるかと思いきや、すべてがうまく繋がって破綻がないのは評価が高い。
ただ、アイアンマンの苦悩をここまでさらけ出さなくても、とは思う。
アイアンマンの魅力の一つがパワードスーツ。
本作でスーツケースで持ち運びできる携帯用スーツ(マーク5)が装着の仕方もかっこよくて、一番好きかな。
アイアンマンの宿敵として立ちはだかるヴァンコ(ミッキー・ローク)が咥え楊枝なのは何故なんだろう?。
ちっともスタイリッシュではないし、必然性も感じないので違和感大。
それと、アベンジャーズにつながる伏線がいくつかあるが、単品で主役を張れるヒーロー、しかも時代背景が異なるヒーローを寄せ集めた映画は好きではないので、どっちでもいい話。
まあ、文句は多いけど、次作へのつなぎとしては、よくできていると思う。
ダンテズ・ピーク [映画]
ボルケーノと同じころに制作された噴火をテーマにしたパニックムービー。
こちらは災害に立ち向かうことはせず、ひたすら逃げ続ける。
まあ、噴火を含め、自然災害の前では人間の力など、いかに無力かは数々の大災害が証明している。
やはりこんなときは、逃げるが勝ちだと思う。
主人公は地震学者役のピアース・ブロスナンと村長役のリンダ・ハミルトン。
ピアース・ブロスナンはスパイより学者が似合う。
ボルケーノに比べて、荒唐無稽と思われるシーンはほとんどない。
ただ、大人でも運転が大変な災害の中、子供が車を運転して山小屋へ向かうシーンはあり得ないかなと。
また、噴火が起きてから、村長が職務放棄して自分の子供と母親を救うことに終始しているのもいかがなものか。
噴火=マグマのイメージだが、それほど強調されているわけではないので、怖さという点では少し物足りないかな、と思う。
真面目なつくりなのだが、ちょっとエンターテイメントに振っているボルケーノの方が好きかな。
ボルケーノ [映画]
大都市で噴火が起きるという想定外の災害をテーマにしたパニックムービー。
20年ほど前の作品なので、今見ると結構アラが目立つし、科学的にみれば荒唐無稽な設定も、今となってはご愛敬か。
本作の骨格は、災害に対して逃げ惑うだけでなく、人知を結集して立ち向かう様を描いており、程よい自己犠牲もちりばめられていて、感動的でもある。
このような災害時には、正確な判断力と強いリーダシップが必要だが、その役をトミー・リー・ジョーンズが好演している。
この人はこういう役がよく似合う。
どこかの首相にもこの力が備わっていれば、数年前の大災害も、もう少し被害を抑えられたかもしれないと思うと、映画の中とはいえ、うらやましい限りである。
ナラタージュ [映画]
弱い男と弱い女のグダグダした話。
全編、ジメッとした感じが、その印象を強くする。
とにかくスカッとする登場人物はでてこないので、観終わった後に疲労感が残った。
途中挿入されるエピソードも、前後のつながりが悪く、唐突な感じですっきりしない。
原作は読んでいないが、ちゃんと収拾しているのだろうか。
ただ、面白いなと思ったのは、工藤泉(有村架純)の心情はかなり表現されているのに比べ、葉山先生(松本潤)の心情はほとんど表現されていないこと。
心情をストレートに出しそうな松本潤に、こういった演技を求めている点は興味深い。
有村架純が時々高畑充希に見えたのは私だけだろうか。
どちらも良い女優さんだと思うが、その個性が活かされていないように思う。
濡れ場が話題になったが、あまり期待しないほうが・・・。
坂口健太郎はちょっと引く役柄だが、ぴったりと言ったら失礼か。